泣くと。

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名もなき人々の「ダンケルク」

映画「ダンケルク」を観てきました。
1940年5月24日から6月4日に起こった、史上最大の撤退作戦のお話でした。
IMAXだったんですけど、音の迫力がすごい!ちょっと静かに始まって、唐突に銃声が鳴るのでほんとに撃たれたかと思いました。

映画は途中から何の予告もなく時系列が行ったり来たりします。ちょっと混乱したかな。でも小さな展開のひとつひとつが収束してクライマックスに向かっていく様子に、とても胸が熱くなりました。

タイトルに【名もなき人々の】という接頭語を付けましたが、この映画、登場人物の名前がこれでもかというほど出てきません。殆ど出てきません。
それと同じように、敵対するドイツ軍はほぼ兵器のみで、あまり人物が登場しません。あくまで、話の中心はダンケルクから撤退する兵士たちとその周辺であり、ドイツ軍は“恐ろしい敵”という概念のような感じでした。
第二次世界大戦自体、人類史上最大規模の戦争で、それに関わった人々は数えきれないほどいます。歴史上に名前を残した人のことを調べて少しくらいは知った気になっていましたが、この映画を観て、名前を残すなんて本当に一握りで、殆ど全ての戦場はこういった名前も知らない人々が戦っていたんだろうな、数字だけが残っていったんだなと思いました。
一人一人、誰かにとっては知っている人でも、皆が知っている人ではない。そんな映画でしたね。

3機編成のスピットファイアが登場しますが、このスピットファイアがとても格好良かったです。このスピットファイアたちのために、ぜひ映画を観て下さい。本当に勇敢で格好良かったので。

以下、ネタバレだけどこれだけは言いたい感想。
ダンケルクの作戦には民間の船舶が徴用されていて、この映画にも【ムーンストーン号】が登場します。ムーンストーンの船長の息子のピーターが、救助した英国兵士に「あの子は大丈夫か?」と聞かれて、責めることもせず、ただ「ああ」と答えたシーンで泣きそうでした。嫌味を言うことも、事実を述べることもせず、兵士に心の安寧を与えるピーターの健気さが胸に刺さりました。

海上に不時着したスピットファイアの立て付けの悪い(違う)マルコムキャノピー。というか、スピットファイアの風防がピカピカで「新品!!」って感じがして愛しかったです。残念ながら全ての機体が喪失してしまいましたが、パイロットがスピットファイアを信じているのがガンガン伝わってくるのがよかったです。イギリス人ほんとスピットファイア好きだな。ハリケーンも名前だけ出てきてよかったね。

オランダの船で逃げ出そうとしたとき、フランス人だとバレたギブソン(仮)が高地連隊からひとしきり責められたあと、なんやかんやで沈みそうになる船から退避するとき、結局彼は脱出が間に合わず亡くなってしまうんですが、彼が間に合わなかったのは後ろめたさから他の人より先に脱出することができなかったからでしょうか。

パンフレットも写真が大きく載っていて最高でした。
是非観に行って下さい。